求められるワークライフバランスの意識定着

求められるワークライフバランスの意識定着

  • 2014-01-13 (月)
  • ワークライフバランス
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先日の日経新聞に「上司は残業をしている部下を評価している」という記事がありました。 これは内閣府が実施したワークライフバランスに関する意識調査で、20~50代の正社員2,537人が回答した結果だそうです。この調査によると、1日に12時間以上働いている人を「頑張っている」と評価する上司の割合は53%、「仕事が遅い」と評価する上司は26%でした。1日に12時間未満では「頑張っている」が48%、「仕事が遅い」が34%、10時間未満では「頑張っている」が38%、「仕事が遅い」が37%という結果です。1日12時間と言えば朝9時から昼食時間を含めても夜の9時以降も働いていることになります。 また別の質問で、残業や休日出勤をせず、時間内に仕事を終えて帰宅することをどう人事評価しているかを尋ねた質問では約千社のうち74%が「プラスにもマイナスにも考慮していない」と答えたそうです。 ここまでワークライフバランスが叫ばれている時代であるにも関わらず、多くの企業が残業の長短を評価の対象にはしていないというのは正直残念な結果です。私も長年企業勤めをしてきましたので、多忙で残業が続く時期もありましたが、仕事が比較的落ち着いている時期は出来るだけ早く帰って自己啓発に費やしたり、人に会ったり、家族と過ごすことなどを意識してきました。ただ、早く帰る時はやはり上司や職場のメンバーに気を使ったものです。私の場合、早く帰る日は朝から根回しをして帰る直前に仕事を振られないようにしたり、どうしても終わらない仕事や突発の仕事が発生した場合は、他の人にできる業務であれば同僚にお願いするなどしてきました。当然、そのようなお願いをするのであれば普段からの信頼関係が重要です。私が知っている知人の中には約束をしているにも関わらず、当日になって「仕事が終わらないので今日は行けなくなりました」と何度もドタキャンする人もいます。本人の仕事や時間のマネジメント能力不足の問題もありますが、やはり上司の意識が変わらないと部下も帰りにくいということは言うまでもありません。 日本のホワイトカラーの生産性の低さは世界的に見ても明らかであるにも関わらず、いまだに改善されないのは大変残念ですし、残業することが評価される企業文化を何とか変えたいものです。所定勤務時間内で効率よく働いてアウトプットを最大化することが評価される会社側の仕組みと、残業することが美徳であるという上司の意識改革、用事がある時はきちんとその理由を説明して帰る部下の勇気も求められてくると思います。