マネージャー育成を科学する

マネージャー育成を科学する

  • 2013-05-21 (火)
  • 研修
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東京大学の中原先生の講演をお聞きしました。これまでずっとタイミングが 合わず、今日がはじめてです。私の恩師の金井先生と共著も出され、書籍で しか接することがなかったので、今さらながらですが何とか実現しました。 企業の人材育成がご専門だけあり、ご講演内容、話し方などとても素晴らしい です。(私が言うのも失礼ですが。) 人材育成の世界ではマネージャー教育が一大トピックスですが、中原先生は 仮説としてマネージャーになることが難しい理由を3つあげられました。 1.「突然化」組織のフラット化によりマネジメントの学習機会が喪失し、 昇進が瞬間にやってくる。 2.「多様化」職場のダイバーシティが高まり、それへの対処が難しい。 3.「役割化」成果を求める風潮の中で課長が“ポジション”から“役割化”し つつある。 そして、マネージャー育成の3つのポイントをあげられました。 1.マネージャー育成は入社直後から始まっているので、全社規模のことを させたり、管理職の代行経験を持たせること。 2.マネージャーとしての出発は「弱さ」からはじまる。マネージャーに なったら当初は底知れぬ不安や課題を抱えるので、それらに対応すること。 3.業務経験の内省が必要。マネージャーは孤独になりやすいが、孤独な マネージャーほど成果が出ないので、折に触れて内省の支援をする。 最後にマネージャーへの移行を支援することが重要であり、そのために3つ のポイントをあげられました。 1.組織・制度を変革することでマネージャーの仕事に専念し易い環境をつくる。 2.方針とツールの提供。例えば、OJTなどに慣れ親しんでいる人など少ない ので、OJTマニュアルなどを提供するのも一例である。 3.場の創造。例えば、トップと対話の場をつくるなど。 以上が主なご講演内容でした。書籍では「人材育成を科学する」を標ぼう している中原先生だけあって定量分析の記述がかなり多いのですが、ご講演 では私達にも分かりやすいようにお話くださいました。 その他にも私が困っていたことにズバリのお話もあり、早速業務に活かして いきたいと思います。