- 2013-04-27 (土)
- 経営
- 編集
経営共創基盤の冨山和彦さんの講義を聞く機会を頂きました。
死に瀕した企業を再生するときの経営者はどうあるべきか、
平時の経営とは何が違うのかを自ら携わってこられた実例など
を交えて日本の経営者が学ぶべき教訓、マネジメントリーダー
シップの本質を考えさせられました。
有名なカネボウの再生にも関わってこられたので、私としては
我が身のように感じて聞き入ってしまいました。
その中で印象に残っているのは「財務リストラは決めれば誰でも
出来るが、その後の戦略実行は実施の過程で必ず計画通りには
進まずゆがんで行くものである。それを乗り越えてこそ合理的
な戦略になるのであり、環境が悪くなった時のほうがストイック
に頑張れるものだ。」というお話です。
資産売却、事業中止、人員削減などは決まれば誰でも実施できる
が、戦略は描いても誰でも実施できるものではないというのは
どの企業でも経験しているのではないでしょうか。マネジメント
サイクルを回しながら、常に環境に対応していくことが重要です。
また、私が一番感銘を受けたお話は、「成長をつかむためには
今持っているものを捨てなければいけない。」というお話です。
今現在、手に何かを持っていたら、手がふさがっているので
何もつかむことはできませんが、新しい何かをつかむためには
現在手に持っているものを手放さないと、つかもうと思っても
つかめないというのは本当にごもっともです。
私もあれやこれやと手を出し、捨てきれずに抱え込むタイプです
が、成長するためには何かを捨てなければいけません。
しかし経営者となると、なかなか捨てるモノを見つけて実行する
ことが出来ないのかもしれませんが、その間にさらに経営が
悪化していくのだと思います。捨てるものを見極めることと、
見極めたら実施することが今経営に苦しんでいる企業に共通
して言えるのでしょう。
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